ふつつかな二人ですが・・・

結婚式の来客への謝辞を新郎新婦の両家の代表が述べるとき、『ふつつかな二人ですが・・・』という言い方をする方がいます。

この『ふつつか』という言葉は、「ふつつかなものですが」「ふつつかな息子(または娘)ですが」といったぐあいに、まだまだ至らない者を他人に依頼する時に使う言葉です。


したがって「ふつつかな二人ですが」という言い方は間違いではありません。ただ、「ふつつかなふたり」という複数の言い方は、あまり一般的でない言い方です。ここでは「未熟なふたりですが」という言い方に置き換えて挨拶をしておきましょう。

「ご配慮を払われ・・・・」

結婚式で来客への挨拶の時に、「ご配慮を払われ、心から御礼申し上げます」と謝辞を述べるときがあります。


「配慮」という言葉は「心を配る」という意味です。


「ご配慮を払われて」と言いますと、「心配りを配られて」と意味を重複した表現になります。これは明らかに間違った表現です。


来客への心遣いをしすぎると、重複表現のような言い方になることがありますので、結婚式でスピーチするときに使う言葉の意味を辞書で確認してみましょう。

結婚スピーチの司会をするとき 「ご新郎ご新婦」

結婚式や結婚披露宴の司会を頼まれた時に注意すべきこととして、敬語の使い方があります。


最近の結婚式の司会者で増えている耳障りな言葉が、「ご新郎ご新婦」です。何にでも「お」や「ご」をつければ上等言葉になるというものではありません。「お」や「ご」のつけにくい言葉もいろいろあるのです。


「新郎新婦」というだけで十分です。

二人の馴れ初めのはじめは・・・

結婚式のスピーチで、新郎・新婦をよく知る友人が、「ここで新郎・新婦二人のなれそめのはじめについて披露しましょう」とスピーチすることがあります。


しかし、「なれそめのはじめ」という言葉は“朝の朝刊”という言い方と同じように『重ね言葉』で間違い表現です。


「なれそめ」を漢字で書くと『馴れ初め』となります。意味は二人が出会った最初のきっかけのことです。


したがって『なれそめのはじめ』という言い方をしますと、二人が出会った最初のきっかけの初めはとなります。はじめという言葉が二重になってしまいます。



●ポイント●
重ね言葉は、ていねいに話そうとするあまり起こるものですので、その辺に注意しましょう。


「これでほっとされたことでしょう」

結婚式のスピーチの時だけでなく、新郎・新婦の両親に顔をあわせた時に、安心されたのではないかという意味を込めて「これでほっとされたことでしょう」と言ってしまうことがあります。


気遣いを察しの言葉で示したつもりかもしれませんが、これは、暗になかなか縁づかなかったことを意味しているようで、両親には快く聞こえないでしょう。


両親は心から喜んでいます。この場合は「お慶びもうしあげます」と祝いの言葉を述べるほうがあなたの祝福が両親に素直に伝わることでしょう。

非凡な才能にたけておられる・・・

結婚スピーチで使われている誤った表現に、「非凡な才能にたけている」という言い方があります。


結婚スピーチだけでなく、一般的にもまっちがった表現です。
「非凡」という言葉は、「平凡」の反対で、普通の人より優れていることを言います。「たける」という言葉も漢字では「長ける」と書き、普通の状態よりも長じていることを指しているので、同じ意味が二つ重なる言葉です。


「非凡な才能を持つ○○さんは・・・」という表現で十分にほめていることになります。そして正しい言葉の使い方です。


《ポイント》
●過剰なほめ言葉になっていないか確かめて見ましょう●

お寂しくなりますね。

この表現は,結婚式のスピーチではなく、新婦の両親に挨拶やお祝いの言葉を述べる時の注意したい言葉です。


その時に、気を回しすぎて、つい「お寂しくなりますね」と言ってしまうことがあります。


愛娘を手放す寂しさはその通りかもしれませんが、この「寂しい」という言葉は、おめでたい席ではめったに使いたくない言葉のひとつです。


それよりも、「お孫さんが待ち遠しいですね」と、明るい未来を示す言葉を使って生きたいものです。

新婦は八方美人でみんなから好かれて

「八方美人」という言葉は、誰にも言い顔をしている人に対して批判・非難する時に使う言葉で、褒め言葉ではありません。

 

結婚式のスピーチで、新郎や新婦を褒めるつもりでこの表現を使うと、「新郎(新婦)はだれに対してもいい顔ををする要領のいい人です」 と言っていることになります。これは新郎新婦をおとしめる表現になります。

 

この表現を結婚スピーチで使った人の常識が疑われ、失笑を買うことになります。なぜなら、 間違った表現を褒め言葉として使ったことが他の来賓にわかるからです。

 

これでは、おめでたい席がぶち壊しになりかねません。うろ覚えの言葉や自信のない表現の場合は事前にチェックして、 言葉を慎重に選ぶようにしましょう。

玉の輿に乗っておめでとう

「玉の輿に乗る」という言葉の意味は、貧しい人が裕福な人と結婚するというもので、 決して結婚式のスピーチでは使うべきではありません。

 

この表現は「貧しさから抜け出しておめでとう」と言っているようなものです。新婦をはじめ新婦の両親、親族にいたるまで、 恥ずかしい思いをさせるものとなります。

 

失礼な表現としてヒンシュクを買わないようにしたいと思います。では、どのような言い方がふさわしいでしょうか?

 

「ご良縁を得られて」とか「素晴らしいご縁を得られて」いった表現を用いて祝福してみましょう。

息子さんのご結婚おめでとうございます

結婚式のスピーチで、「息子さんのご結婚おめでとうございます」あるいは「娘さんの晴れ姿に・・・」と新郎新婦を呼ぶ人がいます。

 

自分が新郎新婦の両親に近い存在であると言いたいのかもしれません。しかし、「息子さん」「娘さん」という呼び方は、 普段の生活の言葉で、結婚スピーチで使う言葉としては感心しません。

 

結婚スピーチでは、あえてあらたまった言葉を使って、「ご子息」「ご息女」と呼ぶようにしたいものです。

新婦は、職場で男が顔負けするくらい・・・

結婚スピーチをすることになった同僚の男性が、新婦の仕事ぶりをたたえるつもりで、「さゆりさんは、職場で、 男が顔負けするくらいのがんばりぶりで・・・」とか、あるいは「男勝りの仕事をされて・・・」といった結婚スピーチをする場合があります。

 

男性と互角に、いやそれ以上に仕事をしてきたと称えて祝福したいのかもしれません。 今は男女平等ということでこのような表現がいいと思うのかもしれません。しかし、 この表現は新婦が女性らしさが欠けていることを強調するようで望ましくありません。

 

ここはストレートに「新婦は優れた能力の持ち主で・・・」と具体的に仕事の実績を挙げたほうがはるかに称えていることになるでしょう。 仕事ぶりを男性と比較したり、競争して負けていないことを強調するよりも、協調性を褒めることで思いやりのある言い換えができます。

 

 

新婦は利口な方で・・・

「利口」という言葉は,『ビミョウ』な言葉です。

例えば、子供に「お利口さんね」と使えば褒め言葉になります。しかし、結婚スピーチで、「新婦は利口な方で・・・」と言ってしまうと、 これは褒め言葉になりません。褒めたつもりでも、どこかバカにしている印象を与えてしまいます。ここが表現の難しいところといいますか、 最近の表現で言いますと、「ビミョウ」なところです。

 

「利口」という言葉には、頭が良いといった意味のほかに、抜け目がない、要領がいい、計算高いという意味もあるからでしょう。

 

このような意味が含まれているために、「利口」という言葉を大人に対して使う場合は、褒め言葉にならず、相手をからかったり、 おとしめたりする言葉として受け止められる危険があります。

 

では、どのような表現が誤解を与えない褒め言葉でしょうか?

「新婦は聡明な方で・・・」とか「思慮深い人柄で・・・」などの表現がありますので、言い換えたほうが無難でしょう。

 

 

 

末席ながらご挨拶を・・・

結婚式のスピーチで、披露宴に出席していることを「末席ならご挨拶を・・・」と挨拶している人が時にいます。

末席というという言葉は出席していることを謙遜している意味で使う言葉です。 普通の何かの集まりに出席している場合にはそれで通用します。しかし、「末席」という言葉は下座のことで、 良い席ではないという意味ですから、招待されている客が使ってはならない言葉です。

結婚式の披露宴に招待されたのに、「末席」という言葉を使うと、「良い席に座っていないところからご挨拶を」 という意味になってしまいます。それではあなたを招待してその席を割り当てた人に対して何かけちをつけたようなことになってしまいます。

では、どんな表現にしたら結婚式のスピーチにふさわしいでしょうか?

最も無難なのは、「おめでたい席をお借りして・・・」と言い換えるのいいでしょう。

縁は奇なもの?

だれが見ても,結婚しそうにない二人が突然、結婚することになったとき、この表現を使いたくなるかもしれません。

 

しかし、「“縁は奇なもの”と申しますが、まさに新郎新婦はこの言葉に当てはまるカップルではないでしょうか・・・」 と結婚式のスピーチをしてしまうかもしれません。

 

奇縁という言葉がありますが、「縁は奇なもの」というのは間違いです。正しくは「縁は異なもの」です。

 

縁は異(い)なもの味なもの
男女の縁は常識では考えられない不思議でおもしろいものであるの意。 縁は異なもの。

三省堂提供「大辞林 第二版」より

 

「挨拶を終わらせていただきます」

「まことに簡単ではございますが、以上で挨拶を終わらせていただきます」


この表現、どこがおかしいのでしょうか?
けっこう、こういう形で祝辞を締めくくる人が多いのではないでしょうか?


ここで問題なのは「終わらせて」という表現です。結婚式のスピーチだけでなく祝賀パーティなどのおめでたい席上ではできる限り「終わる」という言葉は使わないようにしましょう。


お祝いの宴では「終わる」という表現は忌み言葉と考えておくべきです。


では、どのように言い換えたらよろしいでしょうか?
「挨拶に代えさせていただきます」の方が適切です。


●ポイント●
お祝いの席で使ってはいけない忌み言葉を覚えておくのも大事です。

トンビが鷹を生むと申しますが・・・

結婚式でスピーチをする時に避けたい間違い表現。

これは言葉は間違っていないのですが、新郎または新婦が取引先の社長の子供であった場合、新郎または新婦をほめたたえるつもりで、「トンビがタカを生むと申しますか」とうっかり話してはなりません。

これは両親に比べて、子供が優秀であるという意味で、親に対しては失礼な表現になります。

では、これに代わる表現があるでしょうか?

「この親にしてこの子ありと申しますが」という表現があります。
この意味は、親が立派だとその子も親に似て立派になるという意味です。

ただ、この表現はもう一つの意味もあります。
それは逆の意味で、親が悪いとその子も悪くなる、と意味です。

しかし、おめでたい席でのこの表現はいい意味で使われますので、誤解を招くことはないと思います。

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